身体表現性障害とは

身体表現性障害のイメージ写真

検査等により、身体に何も異常がないと診断されているが、痛みや吐き気、しびれや痛みなどの身体的な症状が長く続いている場合、身体症状症という病気が疑われます。身体的な症状は様々な部位に現れ、変化することもしばしばです。患者さんの中には、身体的な原因があると信じ切っていて、身体的な原因を見つけ出そうといくつもの医療機関を受診し、その結果、精神科を受診するのが遅くなる方も多くみられます。

この場合、心理的な要因で引き起こされると考えられ、無意識の葛藤や不安が、身体症状として現れるものとみられています。日常における疲れの蓄積や、環境の変化などがストレスの要因となり、それが言葉でうまく表現できないような方の場合、身体的な表現としての症状が現れることがあると言われています。

身体的疾患で説明できないことが分かった上での診断になりますが、診断には慎重を要し、丁寧な問診により、診断をすすめていきます。

治療は難しく、確立されたものはありませんが、患者さんと医師との信頼関係を築きつつ、認知行動療法を用いて、症状が悪くなるきっかけや状況、あるいは逆に良くなる際の理由などを明らかにしていき、症状が軽くなる方向への行動を促進していきます。薬物療法としては、抗うつ薬や抗不安薬が症状の改善をもたらす場合があります。身体的な問題はない、ということを理解、納得することが大切なのですが、患者さんにそれを受け入れることに抵抗があるため、症状の原因となるストレスを理解し、対処を考えながら、症状をコントロールしていきます。